◆市調査で業者の責任明らか

しかし、市環境局の測定では、負圧除じん装置の排気口付近で高濃度のアスベストを検出。装置の不具合が疑われた。

実際に市が原因究明のために委託した調査で、
(1)現場にあった3台の負圧除じん装置の排気ダクトが1本にまとめられ、換気量が施工計画の約4割で、国が通達で定める最低ライン(1時間当たり4回以上)の半分以下の能力しかなく、明らかな「負圧不足」だった
(2)負圧除じん装置にすき間があり、3台すべてでアスベストが除去されず排気に垂れ流しになる状態だった
(3)作業時にアスベストの飛散防止に使う「湿潤化剤による湿潤化は実施されていないことが示唆された」
──などが確認されている。

これらの調査結果から駅構内へのアスベスト飛散は同社に原因があると考えるのが当然といえよう。

市交通局営繕課も「我々が推定した原因は報告書などで公表している通りです。同社側はそれに対してもきちんと施工したと主張していますが、確たる証拠は出てない。相手の主張が認められるとは思っていない」と自信を見せる。

同社は「担当者が不在」のため、話を聞くことができなかった。

この飛散事故について追及してきた名古屋労災職業病研究会の成田博厚氏は、「市の説明が事実なら、なんと悪質な会社かと感じた。会社側は負圧除じん装置の不備は明らかなのだから、工事ミスは認めるべき。一方で、業者の選定がきちんとできなかった名古屋市はそのツケを支払わされたともいえる。適正な工事をする会社を選定することが最終的にはコストが少なく済むはず。不適正な工事をする業者は市場から排除すべきです」と指摘した。