◆「このままだと大変なことになる」

アスベストによる健康被害を発症し国の救済制度で認定された人は1万人を超える。そのうち約4割がどこでアスベストを吸ったのかわからないとか、兵庫県尼崎市の旧クボタ工場周辺など環境曝露による被害である。建築物などの改修・解体工事が現在、最大のアスベスト発生源となっている以上、徹底した対策が求められる。

区職員からも「再開発の解体工事で(アスベストが飛散すれば)ハッピーロードを通る3万人以上の人たちが危ない。このままだと大変なことになる」と危機感をつのらせる声が出始めているほどなのだ。

法にないから必要ないという主張は間違っている。法はあくまで「最低基準」であることを忘れてはならない。住民との合意をきちんと形成し、安全な工事とすることが再開発組合に求められている。まして事業費の約3分の2が板橋区の補助(うち2分の1は国負担)である再開発でいい加減なことがあってはならない。

再開発組合は住民側への回答で「法令を遵守し、近隣の皆様にご不安を与えることがないよう誠意をもって取り組んでまいる所存です」と決意を語っている。だが、住民からはすで「誠意がない」との批判が多数出ている。どのように法令遵守だけで足りていない部分を補うのか、それが問われている。