名古屋市は9月17日、大気汚染防止法(大防法)改正を受けたアスベスト(石綿)対策の強化として、第三者機関を活用した職員の育成について「検討」すると表明した。実現すれば大阪府堺市に続く先進的な取り組みとなる。(井部正之/アジアプレス)

名古屋市の市営地下鉄・六番町駅におけるアスベスト飛散事故後、現場に掲示されていた事故の「お詫び」(2013年12月撮影)

◆市議会で「検討」約束

専門的知識を持つ第三者機関を活用した職員の育成について市が見解を示したのは初めて。市議会本会議で久田邦博市議(名古屋民主市会議員団)の質問に答えた。

市営地下鉄・六番町駅で2013年12月に駅構内でもっとも発がん性の高いクロシドライト(青石綿)が空気1リットルあたり最大700本飛散する事故が起きたことを受け、市交通局はアスベスト除去工事の際、元請けに直接雇用された石綿作業主任者の配置やデジタル粉じん計を使った負圧除じん装置からの漏えいについて常時監視させるなどの再発防止策を講じてきた。

久田市議は前述した六番町駅での事故をめぐる費用負担について、受注した事業者と市が現在も民事訴訟で争っていることを挙げ、「アスベスト飛散事故は大変な事態を引き起こす」と指摘した。

さらに今年1月の環境省中央環境審議会の答申に〈適正な飛散防止措置は、都道府県等の立入検査等により担保することとし、立入検査等の際に確認できるよう、作業開始前に、施工者が作業の方法や作業時の石綿の飛散防止措置等を含む作業計画を策定することとすべき〉とあることを引用。これを踏まえて、「自治体における届け出受理の手間を減らす代わりに、立ち入り検査に手間を割くことが明確に位置づけられている。自治体の監視・指導の重要性を高めていくことが法改正の根拠の1つとなっております」と説明する。

久田市議は新たに成形板などレベル3建材が規制対象に加えられることにも触れ、「レベル3建材はこれまで法の対象外であったことから、本市として法改正に対応していくためには相当以上の職員の教育・研修が必要」と指摘。また関連して対象工事が5~20倍に増加すると推計されていることから、業務量の増加への対応についても必要性を挙げた。