大阪府環境審議会に設置された部会は10月8日、府の条例で一定規模以上のアスベストを含む成形板を除去する際に必要としていた届け出義務を「レベル3建材すべて」に拡大する方針を決めた。(井部正之/アジアプレス)

アスベスト除去工事の届け出対象を「レベル3建材すべて」に拡大することを決めた10月8日の大阪府生活環境保全条例検討部会のようす

◆府条例改正で届け出対象拡大

大阪府では2005年6月末に兵庫県尼崎市の旧クボタ工場が原因とみられる中皮腫被害が周辺住民に発生していることが明らかになった「クボタショック」をきっかけに、原因物質であるアスベストについて、府生活環境保全条例で独自に取り組みを始めた。2006年4月以降、とくに使用量の多い、アスベストを含む成形板について、湿潤化しつつ原形のまま割らないよう撤去することや一定規模以上の届け出義務を課すなどの規制強化をしたのである。

当時大気汚染防止法(大防法)で吹き付けアスベストや保温材など「レベル1~2建材」はとくに危険性が高いとして規制対象とされたが、それ以外のスレートなどアスベストを含む成形板など「レベル3建材」はセメントで固着しているなどを理由に危険性がそこまで高くないとして対象外とされていた。ところが実際には割ってしまえばアスベストは飛散するうえ、使用量が圧倒的に多いことから、府は「レベル3建材」のうち、アスベストを含む成形板について、作業時の届け出や湿潤化しつつ破砕しないで原形のまま除去するよう独自に規制してきた。

不適正工事が相次ぐ状況から総務省に規制強化を勧告され、5月末に大防法のアスベスト規制が改正。これまで対象外だったレベル3建材すべてを対象に加えた(2021年4月施行)。

法改正に関連し、独自に定めている府条例においても対応が必要となったことから、府環境審議会同条例検討部会(部会長:近藤明・大阪大学大学院教授)は、8月から府条例のアスベスト規制について検討を開始した。

10月の部会では、レベル3建材を除去後に(廃棄用の袋に入れるためなどで)「破砕しないこと」や除去後に切断する場合、「集じん装置を備えた切断機を使用すること」、アスベストを含む水を作業場から排出する場合は、ろ過処理するなど、独自に定めた現行の作業基準を維持することを決定した。

さらに現在独自に1000平方メートル以上の場合に届け出を求めているのはアスベストを含有する成形板だけだが、これを「レベル3建材のすべて」の合計面積に対象を拡大する。

なお、今後公表される大防法施行規則の作業基準で、条例に規定のない内容については修正し、「法と整合を図る」方針。