2019年度に環境省が実施した調査で、吹き付けアスベストなどの除去工事のうち25%で外部に漏えいしていたことが明らかになった。過去10年間で漏えい率は4割超。半数近くでアスベストを流出させていることになる。(井部正之)

除去工事におけるアスベストの漏えい率。棒グラフが年度ごと、折れ線グラフが累計

◆10年平均でも4割超で漏えい

同省が2005年度以降、毎年実施している大気中のアスベスト濃度調査で判明したもので、同省が10月9日公表した。旧石綿工場の周辺や解体現場、高速道路、住宅地域など45地点で、計173カ所を測定している。

このうち、アスベスト除去現場については、埼玉県や東京都で2019年6月から12月までに実施された4現場の工事で計19カ所を測定した。そのうち東京都で実施した3カ所からアスベスト以外も含む総繊維数濃度が空気1リットルあたり1本を超えた場所が「セキュリティゾーン(前室=作業員が除去現場に出入りする際に使用するエアシャワーなどが設置された場所)」出入口付近や発生源ちかくの計4件あった。

これらについて電子顕微鏡(A-SEM)でアスベストの有無を調べたところ、2019年11月1日に東京都で実施された除去工事でセキュリティゾーン出入口付近からアモサイトなど同6.3本を検出した(総繊維数濃度同13本)。

この結果から2019年度の環境省調査でアスベストが空気1リットルあたり1本を超えて外部に漏えいした件数は4現場のうち1カ所で25%となる。

2010年度以降の累計では、10年間で計72カ所の除去現場のうち29カ所で1本超の漏えいがあったことになり、漏えい率は40.3%に上る。じつに半数近くでアスベストを外部に飛散させていることになる。

関連して2019年の自治体による調査では、解体現場などのアスベスト除去工事計187現場で計699カ所の測定を実施している。そのうち高性能(HEPA)フィルターでアスベストの除去後に清浄な空気のみが排出されるはずの負圧除じん装置の排気口における測定は計301カ所。

ところが、清浄な空気しか排出されないはずにもかかわらず、じつに97カ所(32.2%)で漏えいの可能性を示唆する総繊維数濃度が検出されている。検出された総繊維数濃度の最大値は空気1リットルあたり11本。平均同1.2本。