再会斡旋に携帯電話が一役
もっぱら密輸に利用されていた携帯電話も用途は広がっている。当然、携帯電話の使用は結構なコストがかかるから、それに見合う仕事をしなければならない。彼ら密輸屋は物資だけでなくヒトも扱うようになったのだ。つまり、北朝鮮から人間を中国に連れ出す仕事である。

南北朝鮮の離散家族は500万人を超えると言われる。2000年6月の金大中―金正日会談以降、離散家族再会が行事化しているが、これまでの三年間で計八回、双方計で2000人に満たない人が再会を果たしたに過ぎない。このペースでは、例えば100万人が再開を果たすまでに1500年以上かかる計算になる。待ち切れない人たちは、自力で中朝国境地帯まで来て逢うしかないのだ。

そこで、非公式に再会を斡旋する仕事が成立する。韓国の再会仲介人は、住所や名前、年齢などの情報を密輸屋に渡して北朝鮮の親族を探させ、中国国境まで連れてこさせる。そして携帯電話で韓国の依頼人と直接話をしてもらって「本人確認」をする。そして再会の時期と場所を決める。会うのはほとんどが国境の中国側の街だ。

またこの一、二年は、韓国、中国、日本の親戚からの依頼で脱北させる仕事も増えている。北朝鮮の居住地にもよるが、一人あたりおよそ1000~5000元で国境の川を中国に渡河させるまでを請け負う。
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