p-0508c.jpgおじさんは、はっきりはいわないが、地元で、周辺住民自身が揺れている様子がうかがえた。十年以上かかる大工事になる。政府は、なんか景気がよくなるような蜃気楼を見せているのではないか。原発の誘致にそっくりである。

おじさんにもう一度聞いた。政府はどう、皆さんを説得しているのですか? 「日本の安全保障に必要だ」と。そして「中国や北朝鮮の脅威」とやらも基地正当化の材料になっているらしい。

いま中国が侵略を公言し、準備しているのは、日本でも沖縄でもなく、台湾である。中台間に有事が発生し、米軍が出動すれば、叩かれるのは基地のある沖縄である。要塞化している沖縄こそ攻撃の対象となる。そして叩かれても文句は言えない。またいったん交戦すれば、泥沼化する。

台湾に帰って、友人たちにこの基地建設について話しをした。みんな信じられない、という顔をした。珊瑚礁の海に軍用飛行場を造るというのは、21世紀の常識からは、いくら想像力を逞しくしても、実感がわいてこない。地元の人は反対してるんでしょ? いや市長は賛成していますと、言うと、どうしてそんな人が市長をしているの? とあくまで台湾の人たちのほうが常識的である。

辺野古を去るとき、「また来ます、頑張ってください」というと、支援の青年は「それ禁句なんですよ」と注意された。確かに、ヤマトの人間がやってきて、他人事のように「頑張ってください」などというのは、良識を欠いている。「頑張りましょう」と言い直して、ちゅらの海をあとにした。

それから半か月、教育基本法の修正案が閣議決定した。中身を見ても、どうしていま修正が必要なのか、わからない。本意は徐々に露になるのであろうが、今回の修正の柱になっているのが、次のような文言であるという。

「我が国と郷土を愛するとともに、他国を尊重し、国際社会の平和と発展に寄与する態度を養う」
この立派な言葉を肝に銘じなければならないのは、先生でも児童生徒でもなく、実は小泉さんと自民党自身ではないか。「国と郷土を愛する心」があれば、あの海に血糊のついたヘリコプターを離着陸させようという発想は決して浮かばないはずである。あるいは、彼らの言う「愛国心」は、われわれが思い浮かべるのとは次元を別にする「異体」なのであろうか。

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*参考:「辺野古 海のたたかい」浦島悦子著 インパクト出版会
*写真説明(上から)
・ヘリポート建設予定地は大浦湾と呼ばれるジュゴンの棲む海である。戦中は、日本海軍の潜水艦基地があった。
・キャンプシュワブのゲート
・囲まれた所が建設予定地(「命を守る会」提供)
・「命を守る会」座り込みテントで話を聞かせていただいた金城祐治さん(左・代表世話人)と与久田康明さん