「選挙速報」 - 4

yanagi_080113.jpg【「自由時報」朝刊一面。陳水扁らが謝罪する写真を掲載している】

夜半から降り始めた冷たい雨が朝も続き、台湾が泣いているようにも見える。
一昨日、出会った人たちに、あした投票に行くかと尋ねたところ、半分の人は、顔を伏せて、わからないと答えた。

今度は国民党に入れるという人も、必要もないのに、必死に言い訳をする。
やむなく棄権した人も国民党に入れた人も苦渋の選択だった。
たとえ自分が国民党に入れたとしても、国民党がかくも圧勝したことを歓迎している台湾人も多くはなかろう。みんながみんな、喜んで中国人になりたいわけではない。

実際、多くの庶民は両党のいずれに投票すべきか、明確な判断はなかったと思う。
陳水扁と民進党があまりに情けないから、今回はあんたがたには入れられないのよ、という悲痛な一票だったんだとおもう。

それだけ期待されていながら、民進党は裏切った。再び「中国人」に政権を委ねることになるわけで、この二十年はなんだったのかということになる。
ここ十年、「日本大好き」や「日本精神」を売り物にしている台湾人がいるが、あれはいかにも漢民族らしい、したたかな商売である。

しかし、輪になって話しているときに、ふと涙ぐむようにして、「わたし、日本に生まれたかった」と呟く人にさいきん二人も続けて出会った。
別に日本に対するおせじではない。それは、台湾にいることに激しい違和感を感じている人の悲鳴なのではなかろうか。

朝から台北は一寸先も見えないほどに濃霧に包まれている。
投票率は、健闘して58%。
比例区の得票は中国国民党が約500万、民主進歩党が360万余り。ほぼ正確に両党の支持率を表していると思う。
民進党は、この三百六十万から再生の道を探る。