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【「戦時ニ際シ国家総動員上必要アルトキハ」の条文が並ぶ国家総動員法。写真は戦中の「週報」(内閣印刷局発行)】

人が第2章
密かに進む国家総動員計画と資源局
人も物も同じく国家の資源に

これはいったい何だ......。
人間が73の職種ごとに細かく分類されて通し番号を付けられ、資源として扱われている。
しかも「資源番号」の第二は、「物資」になっている。
ここでは家畜も物資とされている。
馬は軍馬用であろう。
馬鈴薯の後には、魚類や貝類といった水産食糧品、牛肉や豚肉など畜産食糧品、缶詰、塩、砂糖と並んでいる。
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・第二 ・  ・  ・ 物資        ・
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・ 二一・  ・  ・家畜         ・
・   ・〇一・  ・馬          ・
・   ・  ・〇一・明四才以上牡馬    ・
・   ・  ・〇二・明四才以上牝馬    ・
・   ・  ・〇三・明三才以下牡馬    ・
・   ・  ・〇四・明三才以下牝馬    ・
・   ・  ・〇五・種牡馬        ・
・   ・  ・一一・朝鮮馬        ・
・   ・〇二・  ・驢馬         ・
・   ・〇三・  ・騾馬         ・
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・ 二二・  ・  ・食糧(飼料ヲ含ム)  ・
・   ・〇一・  ・穀類         ・
・   ・  ・〇一・米          ・
・   ・  ・〇二・大麦         ・
・   ・  ・〇三・小麦         ・
・   ・  ・〇四・裸麦         ・
・   ・  ・〇五・燕麦         ・
・   ・  ・〇六・粟          ・
・   ・  ・〇七・蕎麦         ・
・   ・〇二・  ・其ノ他ノ農産食糧品  ・
・   ・  ・〇一・大豆         ・
・   ・  ・〇二・甘薯         ・
・   ・  ・〇三・馬鈴薯        ・
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次に来る「資源名」は原料材料で、鉄、鋼、黄銅、白金、鉛、亜鉛、錫、ニッケル、アルミニウム、水銀......と延々と続き、鉱物だけでなく硫酸や塩酸など化学薬品、医薬品、ゴム、皮革類、繊維類、木材など多岐にわたっている。挙げられた原料材料は全部で85種類もある。
さらに旋盤など工作機械器具、ディーゼル・エンジンなど内燃機関、電線、フィルム乾板、鋼索、石炭、石油、電力といった「資源名」が並び、工場及諸事業場としては製鉄・電動機・光学機器・通信機器・造船・航空機・自動車・武器・染料・ゴム製品・燃料油など41種類の工場が列挙されている。
運輸施設としては鉄道、船舶、港湾、自動車と記されており、それも客船や貨物船や漁船、乗用自動車、貨物自動車など細かく分類されている。港湾は横浜港や神戸港や下関港など具体的に10ヵ所挙げられている。
この膨大な「資源分類表」において人間は、家畜や食糧、鉱物、機械、燃料、工場、乗物、鉄道、港などと同列に、国家の資源として扱われているのである。
~つづく~
(文中敬称略)