どの家の庭にも所狭しと野菜が植えられている。貴重品の瓦が屋根に見えない。(2003年9月両江道恵山市 中国側から石丸次郎撮影)

どの家の庭にも所狭しと野菜が植えられている。貴重品の瓦が屋根に見えない。(2003年9月両江道恵山市 中国側から石丸次郎撮影)

 

〈インタビュー〉国家住宅はこうして売買される 2
北朝鮮内部記者 リ・ジュン/聞き手 石丸次郎

「国家住宅」をどのように「売買」するのか?
石丸:国家住宅の売買価格はどうやって決まるのか?
リ:実質的に国家住宅を売買するということは何を意味するのか。それは入舎証と個人の金が交換されることだ、すなわち国家の証書を闇市場で品物として売るという意味なのだ。そしてその価格は、実際の家の値打ちによって決まる。

「国家の家は永久に自分の物」なのだが、何らかの理由で引っ越さなければならない場合がある。例えば部屋が家族の数に比べて少し狭いとか、職場までの距離が遠いとか、さまざまな事情がある。

ある人の職場の近くや職場の構内にすでにある公共の建物が住居として転用されることになったとしよう。彼には住む場所が一つできたわけだ。彼はそこに移動することができるし、それまで住んでいた家を国家に返還しないまま、誰かに売って金を受け取ることもできるのだ。だから、今では、そのような条件にある人々は、誰もが家を売る方を選択しようとする。

このような場合、もと住んでいた家は余ることになるので、売ることができる物件となる。
主人(販売者)が他人(購入者)に入舎証を売ることにしたその瞬間から、国家住宅は闇市場の法則にしたがって適正価格が付けられる(需要と供給の関係で価格が決まるという意)。
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