グラフ1 コメ・トウモロコシの価格変動 このグラフをはじめ、関連する表・グラフのPDFデータは、会員画面で見ることができます。

グラフ1 コメ・トウモロコシの価格変動
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長期内部調査 超インフレの発生、その要因を探る 2
整理 石丸次郎/リ・ジンス

はじめに(承前)
◎調査の概要
リムジンガンでは、北朝鮮内部の記者たち、取材協力者たちから寄せられる情報と、中国に合法・非合法に出国してきた北朝鮮人へのインタビューなど、一年半に及ぶ膨大な取材結果をもとに、食糧価格と対中国人民元交換レートの推移を統計に整理。そして、証言をもとに個別具体的に発生していた現象を交えて分析した。
取材調査の概要は以下の通りである。

1.北朝鮮国内に居住している七人からの定期連絡
編集部は、北朝鮮の五つの地域(咸鏡北道、両江道、平安南・北道、平壌[ピョンヤン]市)に居住して取材する記者および、取材協力者・情報提供者と定期的に連絡を取り合っている。この七人は居住地以外の地域に出向いて調査を行うこともある。

連絡手段は、北朝鮮国内に密かに搬入した中国の携帯電話(注1)が主で、中国に出国してきた場合は編集部のメンバーが直接対面してインタビューしている。職業は企業所勤務、貿易商、主婦、商売人で男性四人、女性三人。平均すると、現在一週間に二~三回は北朝鮮国内と通話している。この一年余りで、計一〇〇回以上の通話があった。

2.中国に合法・非合法に出国した北朝鮮人二三人との対面インタビュー
中国に常駐している編集部メンバーならびに、日本の編集部メンバーが中国で行うインタビューである。対象は北朝鮮を出国して間がない人に限った。取材をしても内容が曖昧であったり正確度に欠けると判断したものは除外した。

二三人のプロフィールだが、年齢が二〇代から七〇代、職業は政府や党機関の中堅幹部、主婦、商売人、大学関係者など様々だ。北朝鮮での生活を放棄した脱北難民も含まれるが、大部分はまた北朝鮮に戻った。性別は男性九人、女性一四人。

3.北朝鮮と行き来する中国人協力者から得られた情報
ビジネスや人道支援活動のために北朝鮮を訪れた中国人から提供を受けた情報である。北朝鮮訪問直後に対面調査した。訪問先は経済特区の羅先(ラソン)特別市はじめ咸鏡北道が多い。
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