畑で盗んだトウモロコシの皮を剥く兵士。痩せているのが分かる。2008年8月 撮影:張正吉(チャン・ジョンギル)(C)アジアプレス


:私が聞いた話ではずいぶんひどい部隊も多いそうだが、トウモロコシご飯が出るだけいいかもな。
兵士2:それすらも無かったらどうなるんですか?

:量は少しなんだろう?
兵士2:ひどすぎて、とてもじゃないけど話せません。

:君たちの部隊に栄養失調にかかった兵士が多いのか?
兵士1:江原道(カンウォンド)の方(の部隊)は大変なことになっているそうですよ。

:一つの部隊が何人で構成されているんだ?
兵士1:100人くらいです。

:100人のうち、栄養失調なのは30%くらいか?
兵士1:春には50%になりますよ。
兵士2:しばらくするともっとひどくなります。ジャガイモ収穫の季節(6月中旬以降)なんかは、一食が小さなジャガイモ7つだけです。
ここで言う小さなジャガイモとは、おや指の指先を大きくした程度のサイズであるため、7つ食べても腹を満たすには到底及ばない。

このような食糧不足と、それによる栄養失調のまん延はこの部隊に限ったことではない。例えば一月に出会った「護衛司令部(金正日将軍や要人の警護を担当する部隊)」に所属する知人の将校からは、一食100グラムしか配給が出ていない状況を聞かされた。これは座っていても栄養失調になる量だ。
こうした状況のなか、政府は民衆に対し大々的に軍糧米の徴収を始めたのだった。
[報告=金東哲(キム・ドンチョル)](つづく)

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