パソコン検閲

パソコンを当局に登録すると、それは管理・検閲の対象になる。以下は、ク・グァンホ記者が、一一年秋に平壌に住む知人男性に聞いた、パソコン検閲の様子である。

記者:コンピュータの検閲はいつのことでしたか?
男性:八月初め頃だったと思います。検閲に来たのは二人で、一人は洞の事務長(洞は日本でいう町ほどの行政単位。事務長はそのトップ)、もう一人はコンピュータの専門家だという人でした。

記者:なぜ専門家だと分かったのですか?
男性:普段から親しい事務長が後でそう説明したくれたからです。「一〇九常務」の人間だということでした。

記者:その人は何か制服を着用していましたか?
男性:いいえ、私服でしたよ。

記者:どのように検査しましたか?
男性:コンピュータにCDを入れて何やら操作していました。保存されているファイルを全部チェックしていたようです。

記者:他には? USBメモリーなども確認しましたか?
男性:USBメモリーを差しこんだままにしているような不注意な人はいませんよ(笑)。一五分くらい調べて問題ないと言って出て行きました。

記者:事務長は検閲の理由について教えてくれましたか?
男性:「金正恩同志を誹謗する流言飛語を取り締まるためだ」と、そっと教えてくれました。コンピュータを登録している全ての世帯を回ると言っていました。七月から始めたとのことでした。

記者:流言飛語の内容は何でかすか?
男性:聞いたところで事務長も知らないでしょう。もっと上(高位)の幹部じゃないと。

記者:あらかじめ検査するとのお達しがありましたか?
男性:ありませんでした。抜き打ちでした。

記者:近所に検閲で捕まった人がいますか?
男性:捕まったという話は聞きませんでしたが、全国的に全部検閲しろと指示があったのではないでしょうか。

記者:そのような取締りはよくあるんですか?
男性:私は初めてでした。
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