日本入りした脱北者として初めて大学を卒業したリ・ハナさん。今年1月刊行の手記「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」は多くのメデイアに取り上げられた。撮影:金慧林

日本入りした脱北者として初めて大学を卒業したリ・ハナさん。今年1月刊行の手記「日本に生きる北朝鮮人 リ・ハナの一歩一歩」は多くのメデイアに取り上げられた。撮影:金慧林

 

人気連載の四回目。北朝鮮に生まれ、中国に脱出後、2005年に日本にやってきた「北朝鮮人」リ・ハナさんには、日本の若者の姿はどう映るのだろう?東京生まれで東京育ち、朝鮮学校に通ったこともある在日コリアン3世の辛淑玉(シン・スゴ)さんが気になるところを訊いていく。(整理:アジアプレスネットワーク編集部)

◆意外に真面目?日本の若者

辛:日本の若者を見ながら、そして一緒に何年か生きてきて、どんな感じがする?
ハナ:うーん。日本人の子どもたちというか、大学生を見ていると、私の周りだけがそうなのかもしれないけど、みんな幼いですよね。体格も見た目も幼い。だけどすごく現実的で堅実というか、わりと真面目な子が多いですね。すごく優しくて、弱い部分もあるのかな。

なんだろう。「俺は社長になってやる」とか「俺がなんとかになってやる」とかいう人はあんまり見たことないですね。みんな「どうやったら公務員になれるか」とか、「どうしたら、ロースクールに入って、弁護士になれるか」とか。そういうことを大学1年に入った頃から計画立てて、ダブルスクールに行って、学校へ通いながら塾に通って、しかもアルバイトをして、将来の計画をちゃんと立てながらやっている人が多い。ああいうのを見ると、私ってちょっと恥ずかしいなぁと思います(笑)。周りにはまじめな子が多かったです。

辛:私ね。中国の延辺朝鮮族自治州に行ったときに、北朝鮮から逃げてきた中学生ぐらいかな、15、6歳の子もいたのかな。そんな年齢の子に会う機会があったの。「将来どんな仕事をしたい?どんな職業につきたい?」って聞いたら、みんな目がクルクルってして「ご飯食べられる仕事」って言ったんだよね。あぁ、と思ったわけ。ご飯が食べられる仕事って聞いた瞬間に、胸がかきむしられました。
日本は生きがいを求めているけど、他の国では生きるために必死なんだよね。その差は大きいね。
私だって「何で社長になったの?」って言われるからね。「どこも就職できなかったから」って答えるけど(笑)。でも、ハナは国境を2回も越えているわけだね。
ハナ:そうですね。
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