「特殊な単位」とは国家安全保衛部(情報機関)、人民保安部(警察)、人民武力部(軍隊)、中央党(平壌の党中央委員会)など、北朝鮮の主要機関を指すものと思われる。

金正恩氏による、このような唯一領導体系確立と資本主義思想文化への対策について強調は、張成沢氏の処刑による住民の思想動揺を遮断し、忠誠心向上を図る意図があると見られる

こうした動きをどう見るか。北朝鮮で高位幹部を務めた匿名の脱北者は、デイリーNKの取材に対しこう明かす。
「北朝鮮の『唯一的思想体制』は、90年代の食糧難以降崩壊し始めた。金正恩が『形式的』と言及したのは、張成沢事件以降、唯一的領導体制に対する露骨な 批判が蔓延していることに対する懸念を示している。こうした状況で金正恩は昨年修正した『党の唯一領導体系確立のための10大原則』をもとに住民向けの総 和事業を実施し、統制を強化していくと思われる」。

(ことば:唯一思想体系と唯一領導体系)
北朝鮮では従来、金日成氏の思想を絶対化しなければならないという内容の「党の唯一思想体系確立のための十大原則」が、憲法や労働党規約を超越する最高の「掟」として位置づけられてきた。

今年6-7月、39年ぶりにこれが「党の唯一的領導体系確立のための十大原則」と名前と内容を変えた。故金日成氏と故金正日氏を同列に並べて同列に 崇拝の対象、いわば「神は二人」とし、金正恩氏(本文中では「党」と表現されている)は、その唯一の代理人=後継者であるとして、「遺訓統治」に正当性を 持たせる目的があると見られる。