DHCの吉田会長は、今年4月以降だけでジャーナリストや出版社を相手に10件の損害賠償を提訴。言論封殺ではないかという批判を浴びている。 写真はDHCの店舗 撮影アイ・アジア鈴木祐太

DHCの吉田会長は、今年4月以降だけでジャーナリストや出版社を相手に10件の損害賠償を提訴。言論封殺ではないかという批判を浴びている。 写真はDHCの店舗 撮影アイ・アジア鈴木祐太

 

◆ 吉田会長側 賠償額を増額も検討

これに対して原告の吉田会長の弁護人は、「社会的に信用のある弁護士が執筆したブログであり、多くの人が信用する恐れがある」と主張し、損害賠償の額を2000万円から更に増額する考えを明らかにした。

裁判で、吉田会長の弁護人は、「ブログの記載は事実を書いたのか、論評なのか」と澤藤弁護士に尋ねた。これに対して被告側の主任弁護士は「論評だ」と答えた。

裁判長は石栗正子裁判官。次回の裁判は9月17日午前10時30分から東京地方裁判所705号法廷で開かれる。

◆ 10件にのぼる吉田会長による提訴

澤藤弁護士の弁護団によると、吉田会長が自身をブログや記事で批判した弁護士やジャーナリストに対して名誉毀損で訴えた裁判は10件にのぼるという。裁判の後に東京弁護士会で開かれた報告集会で、澤藤弁護士は、
「これは金にものを言わせて言論を封殺するいわゆるスラップ訴訟だ」
と発言。

ジャーナリストの北健一氏は、
「訴えることによって、委縮させるのが狙いだ。黙らないということが大事」と述べて吉田会長の姿勢を批判した。また、上智大学の田島泰彦教授(メディア法)は、
「こうしたスラップ訴訟は損害賠償額の高額化の中で出てきたもので、表現の自由やスラップ訴訟対策を考えていなかければいけない」
と訴えた。

参加者からは、仮に勝訴しても被告には多大な負担が生じることから、こうした訴訟の提起について一定の歯止めをかける必要があるのではないかという意見も出された。

DHCの吉田会長 批判ブログ執筆者らを続々提訴