2015年最初の「うずみ火講座」が1月10日、大阪市中央区のドーンセンターで開かれ、元自衛官の泥憲和(どろ・のりかず)さんが「集団的自衛権とヘイトスピーチ」について語った。講演内容を書き起こしをお届けする。(新聞うずみ火/矢野宏)

講演を行う泥憲和さん

講演を行う泥憲和さん

◆自衛隊は「反戦組織」

私は中学を卒業し15歳で下士官を養成する「少年工科学校」に入り、地対空ミサイル部隊に配属されました。

軍隊は国を守りますが、軍隊にとっての国とは軍隊それ自身なのです。自分たちがなくなると国がなくなると考えています。ただ、自衛隊はユニークな軍 隊です。2004年に100万発持っていた対人地雷を破棄しました。08年にはクラスター爆弾を破棄することを決め、その作業を完了したのが14年でし た。いずれも残虐な兵器だということで、国連が禁止条約を進めたからです。

自衛隊は、国連の戦争の違法化措置に協力的です。なぜか。それは憲法の平和主義に縛られているからです。自衛隊といえども軍隊ですから自分たちの手 足を縛る憲法はなくていいと思っている人もいます。それでも、自衛隊をユニークな軍隊にしているのは、皆さんの平和主義なのです。選挙に勝てないかもしれ ないと、政権党も自衛隊に縛りをかけている。自衛隊が発足して60年。縛られているというより、憲法は自衛隊の平和主義的伝統の一つになったと言ってい い。

憲法9条があるけれど、私は自衛隊合憲論を唱えています。だが、安倍さんは違う。国民を守る自衛隊ではなく、国策の道具としての自衛隊にしようとしているのです。

自衛隊の任務とは、専守防衛と抑止力です。侵略されたら任務の半分が失敗したことになる。だから、自衛隊の組織は戦争を望んでいません。戦争になら ないように自衛隊があるということで、戦争になったら困る役所なのです。それゆえ、隊内では「自衛隊は日本最大の反戦組織」とも言われていたのです。
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