集団的自衛権でアメリカは動くのか

安倍さんの考えは「尖閣諸島は自衛隊だけでは守れないかもしれない。いざというとき、アメリカに守ってもらおう」というもの。集団的自衛権とは「アメリカに守ってもらうために、日本の若者もアメリカのために血を流せ」ということです。

アメリカのために血を流したらどうなるか。共産党政権に反対して、アメリカは南ベトナムを独立させました。南ベトナムの若者は、アメリカ兵の100 倍も血を流しました。でも、戦況が不利になったらアメリカ軍は撤退しました。イラクもアフガニスタンもそう。アメリカは自分がやりたい戦争はやるが、ケツ を拭かない。

一方で、助ける国もあります。湾岸戦争の時のクウェートです。多国籍軍を組織してイラク軍を追い出しました。クウェートはアメリカのために血を流していません。つまり、アメリカはアメリカの国益に従って動くのです。助けたり見捨てられたりする基準は自国の都合なのです。

集団的自衛権に対して反対が54%(朝日新聞)と圧倒的な反対ではありません。安全保障上の危機感が強まっているから、国民が揺れているだけです。安全保障上の問題とは、北朝鮮のミサイル、拉致問題、尖閣問題だと思いますが、果たして集団的自衛権に関係があるのかどうか。

2008年と昨年、安倍さんの私的諮問機関である「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)の答申が出ました。その中に「米国に 向かう弾道ミサイルの迎撃」があり、北朝鮮からの弾道ミサイルを自衛隊のイージス艦が撃墜するというのですが、地球は丸いのです。アメリカを狙ったミサイ ルは日本列島をかすりもしません。どうやって迎撃するのですか。

安倍さんは2013年の自民党の憲法改正推進本部で、「こういう憲法でなければ、横田めぐみさんを守れたかもしれない」と言っています。9条がある から手出しできない。だから拉致されたという考えです。でも、北朝鮮に拉致された被害国は、日本以外に韓国やフランス、中国など12カ国。9条を持ってい る国はありません。9条があるから拉致されたという安倍さんの考えは成り立ちません。

尖閣諸島で中国と武力衝突が起きたとき、アメリカは介入すると思います。日本ほどの同盟国を見捨てたとなればどこの国も信用しなくなるからです。た だし、中国が一方的な侵略をしたときだけ。今のような挑発的な政策を取り続けて武力衝突になればアメリカは介入しないと思います。それこそ自己責任です。 安倍さんは、アメリカが介入しないような口実を作っています。

国民の後ろ盾がない軍隊は弱い。安倍さんが集団的自衛権や自衛隊を世界へ派遣しようとしていますが、国民が支持しないと使い物にはならない。それは、憲法に培われた国民のピースマインドが強固だからです。そこを突破しないと、安倍さんの路線は成功しない。
(続く)

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