演説する橋下市長に手を振る女性たち=梅田ヨドバシカメラ前(撮影・栗原佳子)

演説する橋下市長に手を振る女性たち=梅田ヨドバシカメラ前(撮影・栗原佳子)

 

◆振り回された市民
橋下氏は会見で「民主主義は素晴らしい」とうそぶいた。「住民投票で負けたら政界引退」と公言してきたが、要は自信があったのだろう。「ふわっとした民 意」に支えられ、住民投票なら突破できると踏んだ。熟議もなくゴリ押ししてきた手法が、最後に誤算を食らわせたということか。

「幸せな7年半だった」と強がりもした。文楽を冷遇、オーケストラを潰し、「ピースおおさか」「リバティおおさか」などの施設を次々と潰しにかかっ た。教育基本条例下の大阪では教員のなり手が激減、公募校長、公募区長の不祥事は枚挙に暇がない。「慰安婦」発言では国際社会をも敵に回しながら。

同じ17日、沖縄では辺野古新基地建設に反対する県民大会が開かれ、私も参加した。心ならずも長く分断を余儀なくされてきた人々が「オール沖縄」に たどり着き結束している。そのシンボルでもある翁長雄志知事も登壇した。その中に「話くわっちー」という言葉があった。話のごちそう、つまり「うまい 話」。空手形には、もう騙されない。自分たちのことは自分たちで決めるのだと。

大阪も「話くわっちー」に混乱させられ、不毛な対立が持ち込まれた。水際から、これがスタートラインだと思う。(終わり)

<<「都構想」とは何だったか 市民に葬り去られるまでの軌跡(上)へ

★新着記事