「大阪維新の会」の宣伝カーの上でスピーチする橋下徹氏。200人近い聴衆はじっと「橋下節」に耳を傾けていた。(大阪市長居公園にて10月中旬撮影・栗原佳子)

「大阪維新の会」の宣伝カーの上でスピーチする橋下徹氏。200人近い聴衆はじっと「橋下節」に耳を傾けていた。(大阪市長居公園にて10月中旬撮影・栗原佳子)

 

市長選にはこれまで吉村氏のほか、自民党市議の柳本顕氏(41)、元北区長の中川暢三氏が出馬を表明。事実上、吉村氏と柳本氏の一騎打ちとなるとみ られている。柳本氏は住民投票で「反都構想」の論客として頭角を表した人物。無所属で立候補し、民主や共産なども実質的、自主的に支援するという。知事選 も自民府議の栗原貴子氏(53)が名乗りをあげ、こちらも「維新VS反維新」が激突する構図になる。維新は「都構想」を再び公約に入れたが「反維新」は 「『都構想』は終わった」として争点にしない方針だ。

そもそも住民投票では橋下氏自身が「大阪が変わるラストチャンス」と崖っぷちのイメージをふりまいた。反対70万5585票(50・38%)、賛成 69万4844票(49・62%)。約1万票という僅差とはいえ負けは負け。結果には法的拘束力があり、「『都構想」は過去の話」というのが相場だ。しか し、橋下氏は「ラストというのは『唯一』という意味だった」などと釈明、この日の街宣でも「都構想」への未練をにじませ、アピールした。

「僕らは、府と市を一つにまとめた強力な『大阪都庁』を作って、本気で国と闘っていく国政政党を作って大阪の再生を目指していこうという考え方なん です! 重要なのは実行力です! 安倍さんがなんで支持されているか。批判を受けても実行するからです! 大阪の自民党のようなふがいない政治集団とは全 然違いますよ!」
「都構想」だけでなく「新党」にもさりげなく触れながら、大阪の自民党や候補予定者をこきおろす。その一方で、親密な安倍首相をヨイショすることも忘れなかった。つづく
【栗原佳子/新聞うずみ火】

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