◆早朝から続々と、抗議行動に参加する市民

キャンプ・シュワブゲート前で午前6時。早朝の抗議行動に集まった市民(沖縄県辺野古で11月8日撮影・栗原佳子)

キャンプ・シュワブゲート前で午前6時。早朝の抗議行動に集まった市民(沖縄県辺野古で11月8日撮影・栗原佳子)

 

だが、早朝の抗議行動に参加する市民は、むしろ増えている。ゲート前の座り込みが500日の節目を迎えた11月18日、午前6時半の早朝行動に国会議員、県議、市町村議をはじめ1000人以上が集まった。

辺野古は沖縄本島北部の東海岸にあり、例えば那覇市内からは高速道路を使っても約1時間半はかかる。午前6時半に現地にたどりつくには夜明け前の道を走らなければならない。

そして土曜日にもかかわらず、早朝から約100人がゲート前に座り込んだ。市民を排除するために2倍の機動隊員が動員され、結果的に工事関係車両3台がゲートを通過したという。

ただ基地内に入った3台は、資材を積んだトラックではなく普通乗用車だった。乗っていたのは作業員6、7人。米軍兵舎解体工事の片付けなどの作業と みられる。10月29日に工事が強行された際、メディアは「埋め立て本体工事着手」と大々的に報じたが、実際はとてもそこまで到っていない。

翁長知事の埋め立て承認取り消しを受け、国は承認取り消しを撤回するよう指示。翁長知事が従わなかったとして、知事の代わりに埋め立てを承認する代 執行を求め提訴した。沖縄県側も、国と地方の争いを調停する「国地方係争処理委員会」に審査を申し出た。逆に今後は国を訴える構えだ。

あくまで普天間基地の「危険性除去」を主張する国。それに対し、県は米軍基地を押し付ける政府の対応を「沖縄差別」などと訴えてきた。

ゲート前のテントに掲げられた「むしろ旗」。5月の県民大会で、翁長知事がスピーチを締めくくったのが、「うちなーうしぇーてぇないびらんどー!(沖縄をバカにするな)」だった(沖縄県辺野古で11月撮影・栗原佳子)

ゲート前のテントに掲げられた「むしろ旗」。5月の県民大会で、翁長知事がスピーチを締めくくったのが、「うちなーうしぇーてぇないびらんどー!(沖縄をバカにするな)」だった(沖縄県辺野古で11月撮影・栗原佳子)

 

座り込みテント周辺にはメッセージを刻んだ横断幕などが数え切れないほどある。
《正義は県民にあり あらゆる非暴力の手段で工事を止めよう》
《うちなーうしぇーてぇないびらんどー!(沖縄をバカにするな)》――。

機動隊と対峙する旧第1ゲート前には、彼らを意識した訴えも目立つ。
《警視庁、機動隊は帰れ!平成の琉球処分を許さんぞ!》
《戦争を知るおじい、おばあたちを蹴散らして違法な新基地建設に協力する 心が痛くないか、良心の呵責はないか》。(つづく)

 

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