関西電力高浜原発4号機が2月29日機器異常で緊急停止した。そのすぐそばにある高浜原発3号機は今年1月に再稼働を始め、プルサーマル発電が行われるこ とになっている。これにより、国は長年頓挫している核燃料サイクル政策を再開させようとしているが、その危険性はどこまで検証されているのか。(高橋宏/ 新聞うずみ火)

再稼働した高浜原発。3号機では危険なプルサーマル発電が行われる予定だが、避難計画を含めた多くの点で見切り発車と言われる。(うずみ火)

再稼働した高浜原発。3号機では危険なプルサーマル発電が行われる予定だが、避難計画を含めた多くの点で見切り発車と言われる。(うずみ火)

 

◆プルトニウムを消費するため
1月29日、関西電力高浜原発3号機が3年11カ月ぶりに再稼働した。いや、再稼働されてしまった。昨年8月に再稼働した九州電力川内原発1号機、10月 に再稼働した川内2号機に次いで、福島第一原発事故後に原子力規制委員会の新規制基準に合格した原発としては3番目の再稼働となる。そのためか、マスメ ディアの報道も川内原発の再稼働に比べると、やや扱いが小さくなっていた。

だが、高浜3号機は、川内1、2号機と同列に扱われるべきではない。この原発は、ウランとプルトニウムの混合酸化物(MOX)燃料を使う「プルサー マル発電」をするという点で、大きく異なっているのだ。マスメディアもこの点に触れてはいるが、その危険性や問題点についてはほとんど強調されていなかっ た。

日本は、原発から出た使用済み核燃料を再処理して取り出したプルトニウムを利用する「核燃料サイクル政策」を掲げている。これまでに、イギリスやフ ランスに委託して再処理した分を含めて、約47トンのプルトニウムを国内外に蓄積してきた。

次のページへ

★新着記事