◆ 使用済み燃料どこへ
高浜3号機の再稼働は、事故のリスクがより高い原子炉を運転するというだけでなく、日本が出口の見えない核燃料サイクル政策を続け、プルトニウム利用を本 格化させるということも意味する。

しかも、MOX燃料は使用後の具体的な処理方法も決まってはいない。それでなくても、高浜原発は再稼働すると7~8年で 施設内の使用済み核燃料の貯蔵プールが満杯になる見込みだが、その対策は具体的に決まっていない。まさに「見切り発車」なのである。

高浜原発の「見切り発車」はそれだけではない。福島第一原発事故の際、事故対応の拠点として免震重要棟の必要性がクローズアップされたが、高浜原発 にはそれがない。にもかかわらず、「2017年3月までに完成予定」ということで、原子力規制委はゴーサインを出した。免震重要棟がないのは川内原発も同 様で、九電は再稼働後、免震重要棟の新設計画を撤回、新設した暫定施設の近くに耐震支援棟を設置するとした。

まるで、再稼働さえしてしまえば、あとはどう にでもなるかのような対応だ。それに対し、原子力規制委は説明を求めたものの、再稼働の許可を取り消すような気配は全くない。

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