鉄道の幹部が写真右側の女性を連れて切符売り場に入ってきた。知り合いなのか賄賂を受けたのか定かではないが、購入者の長い列に彼女を割り込ませた。(2013年10月恵山駅 リ・フン撮影)】

鉄道の幹部が写真右側の女性を連れて切符売り場に入ってきた。知り合いなのか賄賂を受けたのか定かではないが、購入者の長い列に彼女を割り込ませた。(2013年10月恵山駅 リ・フン撮影)】

列車に乗りたい人の数に比べ、駅で売られる切符は常に不足している。原因は、安い国定価格(国の規制価格)にひかれて大勢の人が集まるからだが、もうひとつには、闇商人と結託した駅員や駅幹部が、カネ目当てで切符を横流ししているからでもある。

恵山(ヘサン)市に住む取材協力者が2013年9月に確認したところ、恵山駅から平壌(ピョンヤン)駅までの国定の乗車料金は1500ウォンだった。それが闇のルートでは、2万5000~3万ウォンで取り引きされていた(13年12月時点の実勢レートは1000ウォン=12.5円)。

国定価格よりはるかに高いが、乗車券の購入を事前に申し込んだり、各種証明書や通行証を揃えたり、長時間並んだりする手間を省きたい人々が闇商人から切符を買うのだという。

不幸にも切符を買えなかった人はどうするか。駅のフェンスを越えたり、駅員に賄賂を渡したりして、なんとか駅構内に入り込んで列車に乗ろうとする。

相次ぐ停電や故障のため運休や間引き運行は茶飯事で、本来は一日に一本の運行が予定されている列車であっても、数日に一本、一週間に一本しか運行されないことが珍しくないからだ。

なんとしてでも列車に乗ろうとする人たちは、駅の裏に回り通用門前で構内に入るチャンスを窺う。右側にいる人の中には壁を乗り越える猛者も。(2012年11月新義州(シニジュ)駅 ペク・ヒャン撮影)】

なんとしてでも列車に乗ろうとする人たちは、駅の裏に回り通用門前で構内に入るチャンスを窺う。右側にいる人の中には壁を乗り越える猛者も。(2012年11月新義州(シニジュ)駅 ペク・ヒャン撮影)】

車が出てくる隙に通用門から駅構内に入り込もうとする人々と、それを制止する保安員。(2012年11月新義州駅 ペク・ヒャン撮影)】

車が出てくる隙に通用門から駅構内に入り込もうとする人々と、それを制止する保安員。(2012年11月新義州駅 ペク・ヒャン撮影)】

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