抗議集会で挨拶する住民の会の儀保昇さん。「無防備の市民に対し、暴力的に排除する。現実なのだろうか」と言う(撮影:栗原佳子/新聞うずみ火)

抗議集会で挨拶する住民の会の儀保昇さん。「無防備の市民に対し、暴力的に排除する。これは現実なのだろうか」と言う(撮影:栗原佳子/新聞うずみ火)

 

◆24時間態勢の座り込み行動~県内外からも

沖縄県東村高江の米軍ヘリパッド(ヘリコプター着陸帯)建設が、7月下旬、2年ぶりに再開された。建設反対で座り込みを続ける地元住民はどういう思いでいるのか、8月上旬、現地を取材した。(新聞うずみ火/栗原佳子)

市民らは砂利を止める行動と同時に、通称「N1裏」の警戒にもあたる。N1表とこのN1裏の中間に、二つのヘリパッド建設予定地N1地区がある。裏側から工事が進められる可能性もあり、2年前からテントで24時間態勢の座り込みが行なわれてきた。

7月22日、国はここにもフェンスを築き、「8月5日以降は、テントや中にある物について所有権が放棄されたものとみなす」と警告書を張り出した。5日の期限が切れたら、いつ強制撤去されるかわからない。このため連日、県内外からの市民が集まり、テントや車中で泊まり込みの行動を続けている。

米軍に提供されたN4地区のヘリパッドは二つ並んで造成され、オスプレイの編隊飛行が可能になった。6月以降は夜間も低空訓練も繰り返しているという。N4は高江の集落から最も近く、一番近い家とは400メートルしか離れていない。この家に暮らす安次嶺雪音さんは子どもたちを連れ隣村への避難を余儀なくされている。「今でも限界なのに、4カ所のヘリパッドができたら、高江には人が住むことができません」と嘆く。

N1、G、H地区は、やんばるの森の中でも手つかずの自然が残る沖縄県民の「水がめ」でもある。しかし、自然保護の観点はここにはない。すでに宇嘉川の河口や周辺海域はSACO合意に基づき米軍に提供されており、G地区への歩行訓練ルート整備が計画されている。

「いま北部訓練場では陸と空の訓練が行われています。それが海、空、陸が一体となった全く新しい機能を持った訓練施設になるのです。北部訓練場の過半返還のため、ヘリパッド建設は負担軽減でやむをえないといいますが、事実は全くそうではない」と高江の支援行動を続けてきた平和市民連絡会の北上田毅さんは話す。
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