◆市は評価明かさず

2017年3月19日の煙突内アスベスト除去後、飛散抑制剤を散布するようす(情報公開で入手)

堺市では2016年6月、市発注の北部地域整備事務所の改修工事で、アスベストを約70~80パーセントと高濃度に含む断熱材が使用された煙突を適正な対策なしに解体。その結果、周辺にアスベストを撒き散らし、市と職員4人が大阪府警に書類送検された(2017年3月不起訴処分)。

今回煙突内のアスベストの取り残しが見つかったことにより、2017年3~4月に実施された同事務所の煙突内アスベスト除去工事が不適正だったことがはっきりした。

これまで市は市議会などで「工事は適正」と主張してきた。アスベストの取り残しについても「(存在し)ない」と言い続けた。そうした市の主張が誤りだったことが専門家の調査によって裏付けられた。

市建築監理課の山下直史課長に見解を尋ねると、「最終報告後、報告できるタイミングで報告させていただきます」と回答を避けた。

5月28日に取材した際、調査をした同協会の正式な報告が出てから市としての見解を明らかにすると説明していたことを指摘すると、山下課長は「最終報告後に訂正させていただきます」という。

アスベストの残存が確認され、「粗い仕事」と認定されたことを踏まえ、2017年3~4月の煙突内除去工事が適正だったのか否かも尋ねたが、回答はなかった。今後の対応についても同様に何も答えなかった。

周辺住民などへの健康影響を調べる市の懇話会で3月27日、傍聴していた隣接する保育園関係者が「(煙突内にアスベストが)あるということになるのであれば今回のことは何ら教訓化されていないということになる」と指摘している。

今回違法工事後の出直し工事でさえ不適正だったことが裏付けられ、まさしく市にとって「教訓化されていない」ことが判明した。にもかかわらず、謝罪や反省、今後の見通しも示せない堺市のすがたには呆れるほかない。