数字に現れた経済制裁の大打撃 1-6月の北朝鮮の対中国貿易統計

 

◆平壌の空気は冷めました

平壌から7月初めに中国に出国してきた中堅ビジネスマンが、匿名を条件にアジアプレスの中国人メンバーとのインタビューに応じた。

――韓・中・米との首脳会談をこなし、金正恩氏の国内で評価が随分高まったというが?
「韓国や大国との首脳会談が続いて、労働新聞などで金正恩元帥様の偉大な外交術だと称えているが、空気は覚めてしまったと思う。暮らしはひどいままだし、何も変わる様子がないからだ。物事が分かっている人たちは、(首脳外交は)経済が行き詰まったので頭を下げた、降伏したようなものだと言っている。平壌の人の多くは、核開発のせいで経済制裁を受けていることを知っているから。金正恩はやはり若造だという人もいる。

職場の朝会や、住民対象の講演などで、『中国と関係良くなったといって幻想を持ってはならない。米国と韓国が敵でなくなったわけではない。緊張を緩めてはならない』、こんな内容を繰り返している」

――制裁で平壌の経済も悪化したか?
「収入が以前の半分になったと考えればいい。お金の流通が悪く、ビジネスがうまくいかない。市場でもモノが売れない。タクシーも需要減で客が減った。知り合いもタクシー運転手を辞めた」

――平壌の食糧配給はどうか?
「工場、職場ごとに異なる。国家貿易機関、軍需工場、保衛員、保安員などには毎月白米が供給されている。一般の機関や工場は、世帯主だけが白米で、家族は雑穀。6月の配給は10日分だけ支給された。雑穀7対白米3だった。以前より減った」
※北朝鮮で地域として食糧配給が維持されているのは平壌だけである。

――食糧が足りないのか?
「いや、市場でいくらでも買える。国に金がないのだ。人民軍兵士の待遇が非常に悪くなって、(息子・娘を入隊させている)父母の不満が強い。3カ月に一度、差し入れに行かないと飢え死にすると言い合っている」