米軍人・軍属の公務中の犯罪(過失致死傷など)の第1次裁判権は米軍側にある。
公務外では日本側に第1次裁判権があるが、事件・事故の被疑者の身柄が米軍側にあるときは、日本側が起訴するまでは身柄の引き渡しをしないなど、米軍側に有利な規定となっている。

米軍機墜落事故でも米軍が現場を封鎖し、日本側は現場検証も事情聴取もできない。
米軍は事故原因の究明は二の次で訓練飛行を再開し、日本政府は容認してばかりいる。

横田、厚木、嘉手納、普天間など米軍基地の周辺住民による米軍機騒音訴訟でも、米軍機の爆音が騒音公害の発生源で、その違法性が認められ、損害賠償も認められているのに、肝心の米軍機の夜間早朝の飛行差し止めは認められない。

米軍の活動に日本政府の規制は及ばないから、差し止めはできないというのが裁判所の判断である。
日本各地で続く米軍機の危険な低空飛行訓練も、野放しにされている。

米軍の基地使用や軍事活動に対し日本の行政権も、司法権も及ばないのが実態である。
米軍優位の不平等な日米地位協定によって、米軍に事実上の治外法権が認められているのだ。

米軍という外国軍隊により主権が侵害され、そして憲法で保障された人権も侵害されている。
このような状態で、はたして日本は真の独立国・主権国家といえるだろうか。 続きの第2回を読む >>

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*関連図書
『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年
『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年
『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年