在日米軍基地は戦争の出撃拠点なのである。
そんな基地の維持費として、日本は年間数千億円もの国費つまり税金を支出している。

日本はアメリカの戦争を支持することで、米軍に殺傷されたイラクの人びとに対して間接的な加害者の立場に立ったのである。

米軍のパイロットたちは日本の空で腕を磨き、参戦し、また次なる戦争に備える。

戦場を行き来する血塗られた米軍機が、私たちの上の空を飛び回っているという現実がある。
それは朝鮮戦争やベトナム戦争の頃からずっと続いていることだ。

米軍機の低空飛行訓練ルート下や訓練空域下の住民、そして基地周辺の住民のなかには、自分たちの住む地域の上空、日本の空が米軍の戦争のために利用されることに対し、「許せない」との思いを抱く人も少なくない。

「日米安保のための訓練を日本の空でしていると言いながら、米軍機が日本の安全や極東の平和と関係のないイラク戦争に出撃するのはおかしいのではないか?」と、私は外務省北米局日米地位協定室に質問したことがある。

しかし、次のような答えが返ってきただけだった。

「米軍部隊が日本の領海や領空を出た後、移動していった先でどんな任務につくか、日本政府は関知しない。日米安保条約にも抵触しない」

だが、どう考えても、安保条約に違反する米軍の出撃を正当化しようとする都合のいい理屈にしか聞こえない。

横田空域を米軍が手放さない理由。

それは軍事空輸ハブ基地として、輸送機などの円滑な出入りのための空域確保とともに、広大な空域を戦争のための訓練エリア・出撃拠点として最大限に利用しつづけたいからにちがいない。(つづく)

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*関連図書
『「日米合同委員会」の研究』謎の権力構造の正体に迫る(創元社)吉田敏浩 2016年
『横田空域』日米合同委員会でつくられた空の壁(角川新書)吉田敏浩 2019年
『日米戦争同盟』従米構造の真実と日米合同委員会(河出書房新社)吉田敏浩 2019年

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