◆中露から大量の食糧支援か

国際貿易センター(ITC)が公開したロシアの貿易資料によると、ロシアは4月に北朝鮮に740万ドル相当の小麦粉を輸出している。ただし統計上では「購入」か「支援」かわからない。

中国も4月以降、北朝鮮に小麦粉を輸出し始めた。中国税関当局発表の貿易統計を見ると、小麦粉輸出は4月に157万5015米ドル、5月は904万6838ドルで対北朝鮮輸出額1位になった。分量は2万7842トン、6月は同2位で1006万9172ドル、3万7210トンだった。中国の場合も、統計を見るだけでは輸出された小麦粉が支援なのかはわからない。また、コメやトウモロコシの輸出は統計にはまったく現れていなかった。

ただ、中国が北朝鮮に対して、昨年に続いて大量の食糧支援を行っているのは間違いないと思われる。韓国の中央日報は6月21日、中国が北朝鮮にコメ60万トンとトウモロコシ20万トンを支援したと報じた。習近平主席が昨年北朝鮮を国賓訪問して1周年になるのに合わせて実施されたものだとしている。

また「自由アジア放送」(RFA)は、丹東港などから船舶で夜間にトウモロコシやコメが送られていると、6月22日に報じている。何より北朝鮮国内の人々が、中国とロシアから食糧支援があったと認識している。

正確な量は不明だが、4月以降の大量の食糧支援によって、国家保有食糧に余裕が生まれ、それを軍隊や平壌、建設動員者、当局が稼働を優先させたい生産組織、協同農場などに優先的に振り向けているのではないかと推測される。

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