◆不二貿易輸入販売の珪藻土製品

珪藻土バスマットから法令の基準を超えるアスベスト(石綿)検出したとして、自主回収を発表した不二貿易(北九州市)。同社が卸していた45社のうち、公表がわずか9社なのはなぜか。(井部正之)

アスベストを検出した珪藻土バスマットの断面。植物繊維が多数見える(本文とは直接関係ありません)

◆なぜ大半の販売元非公表?

2020年11月末に大阪府貝塚市のふるさと納税返礼品として大人気だった堀木工所(同市)が販売してきた珪藻土(けいそうど)バスマットから労働安全衛生法(安衛法)の基準を超える0.1%超のアスベストが検出されて以降、珪藻土製品の自主回収が相次ぐ。

同12月28日、不二貿易は中国から輸入した珪藻土バスマット11製品にアスベストが含まれていたとして回収を発表。同社が卸していたのは家電量販店最大手のヤマダホールディングス(旧ヤマダ電機)、西日本でスーパーを展開するイズミ(広島市)、ホームセンターのグッデイ(福岡市)など44社。回収対象は計2万3658個。

その後しまむらグループのシャンブルや三喜、九州を中心にディスカウントストアを展開するダイレックス、ホームセンターのハンズマン、雑貨・家具販売のルームプラスでも取り扱っていたことを発表した(いずれも44社の内数)。

1月15日に不二貿易はさらに100円ショップ「ワッツ」「ワッツウィズ」「ミーツ」「シルク」を展開するワッツ(大阪市)で販売していた4製品5595個にもアスベストが含まれている可能性があるとして追加回収を発表した。

同19日現在、不二貿易の輸入品を取り扱っていたのは45社。販売されていたのは15製品で計2万9253個に上る。

だが、公表している販売元はわずか9社のみ。残る36社はアスベスト検出による自主回収を発表していない。

安衛法違反の観点からすべて公表との方針ではないのか。

厚生労働省化学物質対策課は「おしなべて全部公表するというのでなく、自主回収を公表している会社を我々も公表している。数枚しか売ってないところ含めてすべて公表が必要とまでは考えていない」との見解だ。

もっとも、しまむらは販売数36個で公表。単なる販売数であれば、この程度で公表が必要なのか。線引きは一体どこなのか。

不二貿易に聞くと、「公表している9社で95%くらいの販売数量です。あとの5%くらいはおもにネット販売などで、数も多くて十数枚、少ないと6枚だけ。また卸し先で購入者が確認できるため、直接連絡して対応できるため、公表を控えさせていただいてます」という。

販売数が少なくて直接回収のための連絡が可能という事情なら公表までは不要ということのようだ。

なお、各社とも対象製品を持っている場合、ビニール袋に2重に入れてテープなどで閉じて保管し、直接店舗に持ち込めば返金に応じる。ただし、直接店舗に行くことができない場合の対応について、各社で若干の違いがあることから注意が必要だ。詳細は関連写真を確認いただきたい。