◆政治資金収支報告書に「借入金返済」と記載

政党支部が高木議員自身から借入をしたのは2016年だ。2016年の支出に関して立替だと主張するのは納得できる。しかし、2017年、2018年に関しては、政治資金収支報告書に「借入金返済」と記載されており、それを「立替金の弁済」と強弁することは無理があるだろう。「文通費」で返済をしたのならば、使途報告書には「借入金返済」と書くべきだろう。

そもそも、「文通費」を政治団体に寄付してもよいとは法律に書かれていない。それどころか、「文通費」の使途は「公の性質を有するもの」と限定されている。

◆専門家は極めて悪質と指摘

政治資金問題に詳しい神戸学院大学の上脇博之教授は、次のように問題点を指摘した。

「前年からの繰越金で返済できないことは明らかです。そうすると、返済原資としては2つあります。政党交付金と議員本人からの寄付です。しかし、その寄付の原資は『文通費』です。『文通費』は法律によると公的な文書・通信・交通・滞在のためにしか使えないので、私的な政治活動には使えない。借入金の返済に使えば明らかな違法です。

もう一つの政党交付金については、立替払いは合法ですが、そうでなければ使途報告書に『借入金の返済』には充ててはなりません。2016年分だけは立替払いと弁明できそうなので合法かもしれませんが、2017年と2018年は立替払いではないので明らかに違法です」

上脇教授は、政党交付金であっても「文通費」での返済であっても違法と明言した。

さらに、「文通費」を政治団体に寄付をするという手法について厳しく断罪した。

「日本維新の会は政党として組織的に『文通費』を政党支部や資金管理団体に寄付することを認め、議員全員で赤信号を渡っていますが、高木議員の場合は、政党交付金による借入金返済という違法行為を誤魔化すために政党支部に違法寄付していることになり、極めて悪質な違法行為です」

◆維新は組織的に『文通費』を流用

議員一人一人の『文通費』の使途報告をしているのは日本維新の会だけ。しかし、いくら公開したとしても違法行為が行われている現状では、彼らが掲げる「身を切る改革」がパフォーマンスと言われても仕方がない。

維新の会以外の国政政党は議員一人一人の「文通費」の使途報告を行っていない。維新と同様な行為をしているから公開に踏み切れないのではないか、と有権者に勘ぐられても仕方ない。

全国会議員が、「文通費」をはじめとする、税金で賄われている政治活動費を公開する制度をつくる必要があるだろう。

■ 鈴木祐太 (すずきゆうた)
1981年香川県で生まれ。岡山、大阪で育つ。大学在学中から貧困状態にある子どもたち、特に被差別部落や在日外国人の子どもたちへの支援に関わり、小学校講師、派遣社員などを経てジャーナリズム活動を始める。フロントラインプレス所属。