◆メディアも外交官も大幅撤収…国内状況は闇

北朝鮮政府は、昨年来平壌に駐在する外国人の出国を促し、現在、残っているのは中国、ロシアなどの限られた国の大使館と、WHO(世界保健機関)など少数の国際機関の関係者だけだ。ロシアの国営通信社と朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の機関紙・朝鮮新報の駐在員も撤収した。共同、AP、AFPなど平壌に支局を置いていた外国メディアは、1年以上も記者が入国できていない。

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※中国の新華社は、昨年、駐在員が撤収したとの情報があった。ウェブ版では2人の記者が引き続き平壌発の記事を書いているが、4月以降の記事は北朝鮮国営メディアの引用か中国大使館提供の消息ばかりで、独自記事、写真は皆無。新華社北京本社に問い合わせたところ「撤収を確認することはできない」との返答だった。

北朝鮮に住む筆者の取材協力者たちは、コロナの流行はないものの、過剰な防疫政策による物不足と経済麻痺で、飢えと病気に苦しむ人が増えていると伝えてきているが、情報は断片的だ。国内の移動が強く制限され、居住地以外の状況が伝わってこないという。

北朝鮮を照らす灯りはますますか細くなり、どんな事態になっているのか分からない。隣国は今、漆黒に覆われている。

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※2021年2月16日に毎日新聞大阪版に掲載されたコラムに加筆修正しました。