(参考写真) 路地の市場に買い出しに来ていた女性兵士。現在、市場に軍人兵士の姿はまったくないという。2013年6月両江道にて撮影「ミンドゥルレ」(アジアプレス)

◆ヨモギ焚いて消毒、兵士も咳出ただけで隔離

軍隊は多くの人員が長期にわたって集団生活するため、新型コロナウイルスが感染拡大しやすい集団だ。金正恩政権は昨年2月から兵士の部隊からの外出を禁じて民間人との接触を厳しく統制してきた。厳しいコロナ対応が始まって1年余り。今、北朝鮮当局の軍隊のコロナ対策はどうなっているのか? 取材協力者が軍関係者と接触して調べた。(カン・ジウォン

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軍関係者に会って話を聞いた咸鏡北道(ハムギョンプクド)に住む取材協力者のA氏によれば、兵士を一般社会から引き離す措置は、現在も厳重に維持されていた。A氏は次のように報告する。

「現在も兵士たちは一切外出が許されておらず、街中で姿を見ることはほとんどない。家庭を持つ軍官(将校)も、部隊と自宅以外の場所へは出入り禁止で、兵営と将校宅の入口には遮断幕が設置され、外部人員の接近や家族の外出を厳しくチェックしている。

兵士がこっそり部隊から抜け出さないよう監督も厳格だ。深夜にも点呼があり、12時、3時、6時の3時間間隔で兵士をチェックして脱走や無断外出したものがいないか目を光らせている。それでもこっそり部隊から抜け出る兵士が出た場合は、その中隊や小隊を丸ごと強制隔離するそうだ。

これまで兵士が行っていた後方部からの食糧搬入は、「軍労務者」という軍部隊の雑務を担う民間人を動員して代行させている。「軍労務者」には兵士の起床時間前に仕事をさせるなど、軍人と直接接触を最小化させている。

また、兵士をできるだけ兵営から出させないため、今年は、煮炊き用の薪取りや、部隊が持つ畑での農作業は兵士にやらせない方針だそうだ」