建築物の改修・解体現場におけるアスベスト(石綿)対策をめぐり大阪府などが6月に一斉パトロールを実施したところ、4割近くで法令違反が見つかった。4月の改正大気汚染防止法(大防法)の施行後に指導率が公表されたのは初めてとみられる。(井部正之)

不適正なアスベスト調査の掲示例(黒塗り筆者)。「目視確認」だけで安全を主張。実際にはアスベストだらけのことが多い(本文とは直接関係ありません)

◆一斉パトロールで指導130件

府はかねて6月と12月を「石綿飛散防止推進月間」と独自に位置づけ、建築物などの解体・改造・補修工事の適正化のため、府内で規制権限を持つ25市町村の大気や建築、廃棄物の各部局と連携してパトロールなどに取組んでいる。

6月の一斉パトロールは改正大防法が4月に一部施行された後、府で初めて実施されたもの。府は重点的に実施したかったそうだが、コロナ禍により、各地域で通常1週間の予定が1~2日に縮小して実施せざるを得なかったという。

それでも府内452カ所の改修・解体現場に立ち入りした。工事中だったのは227カ所で、そのうち81カ所で大防法または府条例(府生活環境の保全等に関する条例)違反が見つかり、指導した。指導率は35.7%に上る。

指導総数は延べ計130件。そのうち、アスベストの事前調査報告書を現場に備え付けする義務の違反よる指導が55件(42.3%)でもっとも多かった。事前に建物のどこに使われたどの建材にアスベストが含まれているのか説明を受けていても、現場に報告書が備え付けられていないと作業時に確認できず、不適正工事につながりかねない。

また事前調査結果の掲示義務違反による指導54件(41.5%)と合わせ、事前調査結果の取り扱いに関する指導が8割を占めた。

府によれば、報告書の備え付けがなかった現場には、元請け業者からアスベストの調査結果が自体が知らされていない事例が複数あったという。

さらに周辺にアスベストが飛散しかねない不適正な作業が4件(3.1%)確認されたほか、不適正作業につながった可能性が高いとみられる、事前調査を実施していなかった事例が4件(3.1%)、事前調査報告書を作成していなかった事例が7件(5.4%)見つかった。

府はアスベストの飛散・曝露事故につながるとして、規制遵守の徹底を求めている。