市有施設のひさし裏で危険性の高いアスベストが新たに見つかったことを発表した際、法で定められた届け出や対策なしの“違法工事”を告白していた大阪府堺市。じつはその発表時に吹き付け材の安全性をめぐる「第2のウソ」があった。(井部正之)

ひさし裏から新たに吹き付けアスベストが見つかった堺市の施設に隣接する東雲公園で遊ぶ子どもたち。保護者はアスベスト検出のことを知らなかった

◆吹き付け材「ひどい劣化」と指摘

市はJR阪和線堺市駅前の東雲公園予定地内にある市有建築物の「吹き付け材」からアスベストの1つで発がん性のより高いアモサイト(茶石綿)を検出したと8月30日発表した。同発表で8月11日に試料採取した際、幅約20センチメートル、長さ約7メートルの建物北面のひさし裏にある吹き付けアスベスト(アスベストとセメントに水を混ぜて吹き付け施工したもの)とするについて、「試料の採取時にスプレーにて全面に飛散防止対策処理を行っています」と記載していた。

分析のための試料を採取した後にその箇所と周りのごく直近に飛散を抑制する溶剤を吹きかける。しかし、堺市の発表は試料採取した箇所だけでなく「全面に」使用したというものだ。

事実であれば、吹き付けアスベストを飛散抑制剤で固める「封じ込め工事」に該当し、作業の届け出や現場の隔離、外部に漏れないようにする負圧除じんなどが必要となることは指導権限を持つ同市環境対策課も認めることだ。つまり、本当に発表通りの作業をしているのであれば、労働安全衛生法(安衛法)石綿障害予防規則(石綿則)や大気汚染防止法(大防法)に違反する。

市大浜公園事務所は、試料採取した箇所に「(市の指示で)ちょっと広めに吹いてもらった。きっちり全部ではない」と発表の記載を否定。虚偽発表を認めた。

「第2のウソ」とは市の発表で新たに見つかった吹き付けアスベストについて、「経年劣化しているものの、表面の荒れ・損傷・欠損・浮きが認められず、飛散したような形跡は見られません」と安全性を強調した記載をしていたことだ。

じつは市から提供された現場写真を拡大してみて「表面の荒れ」があるため劣化しているとの印象を持った。発表翌日に現場を確認した堺市民から「部分的にはひどい劣化状態でした」と連絡が入り、写真も送られてきた。