大手建材メーカー・ノザワ(神戸市)は1月13日、アスベスト(石綿)含有の可能性が高いミネラル肥料「マインマグ」がさらに6製品あると追加発表した。対象製品は計14製品になる。また混和材「パネック」など複数の製品も原料は同じで石綿含有の可能性があるが、同社は公表していない。(井部正之)

アスベスト含有の可能性があるノザワの混和材「パネック」。同社は使用停止を卸し先のメーカーには知らせたが、一般向けに公表していない(写真は同社ウェブサイトから引用)

◆新たに6製品追加

新たに石綿含有の可能性があると公表されたのは、マインマグC(粉)、マインマグW細粒、マインマグF細粒、ふらのS30、ふらのS30細粒、ふらのS31──の6製品。

1月12日に発表されたマインマグC、マインマグCS、マインマグW、マインマグF、マインマグN、マインマグNS、マインマグCb、マインマグmini──の8製品を含め計14製品に増えた。

マインマグは「蛇紋岩を原料とするミネラル肥料」。原料は石綿採掘後の廃棄物「鉱さい」で、もともと石綿の1つ、クリソタイル(白石綿)を含む。それを「焼成」という熱処理により「無害化」した製品とされる。無害化処理が不十分であれば、製品に石綿が含有されてしまう。

同社は1月12日夜、マインマグCとマインマグminiの「一部」に法令の基準を超える石綿を含む「おそれが高い」と公表。これまで関連8製品について同社および第三者機関の検査で「石綿が検出されたことはありませんでした」と表明しつつも、再検査中として使用停止を呼びかけている。

発表で「マインマグ製品の回収の具体的な方法等」について「検討中」としており、自主回収の方針と読み取れる。だが、同社マインケミカル事業部に確認したところ、「回収は決定事項ではない」という。

同社は「現在調査中でまだ石綿含有の有無について結論が出ておりません。検査結果をふまえて次のご案内となります」(同事業部)と説明する。

建材などの分析は納期が通常1週間程度で急ぎなら2~3日で可能だ。筆者が石綿含有と同社や行政機関に知らせたのが2022年12月26日で、同社オンラインショップで購入したマインマグCと園芸用のマインマグminiを3社で分析していずれもクリソタイル(白石綿)を検出したと報じたのが1月4日のため、記事発表後でも1週間あることからまず間違いなくある程度の分析結果は出ているはずだ。

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