◆新プラットホーム「ラッパ手」の登場

中央政府が機関別に作成した宣伝扇動用の資料は、この「ラッパ手」というイントラネット上のサイトを通じて各機関や地方組織に送信されるというわけだ。「『ラッパ手』は誰でも接続できるわけではなく、アクセス権は、宣伝扇動要員に限られていて、携帯用コンピュータ(ノートパソコン、あるいはタブレット型コンピュータ)で見ることができる」と協力者は説明する。

◆紙の印刷物は回収まで報告

一般の出版物の流通も激減しているという。この協力者は、居住地が中国との国境地域であるため特に統制が厳しいと断りつつ、次のように説明する。

「労働新聞以外は、印刷物に接することが少なくなった。雑誌もだんだん消えていっている。文書資料は紙の浪費と言われて、企業などにあるコンピュータで見るようになった。印刷物は、使用後は印刷所で回収して報告する仕組みにで、閲覧できる人も決まっており、以前のように宣伝部の幹部の家に行って(廃棄された文書を)ちり紙としてもらうということも、今では不可だ」

「ラッパ手」登場など、宣伝扇動事業の電子化は、新しいデジタル技術を活用することで、国内の情報が外部へ流出するのを防ぎ、監視と統制の効率を高めようという当局の戦略だと分析できる。

※アジアプレスでは、中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。

北朝鮮地図 製作アジアプレス

 

 

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