
◆ジャマー設置するも有線式自爆ドローンが出現
ウクライナ軍は各方面で苦戦を強いられている。自衛隊車両 1/2トントラックが3台配置されている第157独立機械化旅団は、ドネツク州ポクロウシク(ポクロフスク)の東方に伸びる戦域に展開。取材では、自衛隊車両が最前線のロシア軍との戦闘現場で使われている状況が明らかになった。部隊は、自爆ドローンの猛攻にさらされていた。全3回(取材・写真:玉本英子・アジアプレス)
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◆「ジャマーだけでは防げなくなった」
いま、自爆ドローン攻撃が激しいですが、この車両には無線妨害装置(ジャマー)はありますか?
カイザー車長:
ドローンに対処する無線妨害装置(ジャマー)を取り付けています。ジャマーについては、一応、最大約100メートルで遠隔無線を遮断する仕様です。このジャマーの周波数は400~750MHz帯のうちの2つの周波数しか対応しません。ただロシア軍はドローンの周波数を切り替えてきます。最近は200MHz以下の周波数帯を使ってきます。
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ジャマーは常時オンにしていて無線式自爆ドローンにはある程度は有効かもしれませんが、いま光ファイバーケーブルを使う有線式ドローンが登場し、それには対処できません。1月頃はそれほどでもなかったですが、この3週間は有線ドローンが大規模に使用され始めました。
これまでのところ、この車両自体がドローンの直接の攻撃で被弾したことはないですが、他の車両はやられています。うちの部隊では先週日曜日から2日間だけで、車両5台がやられました。ですから、幹線道は使わず、脇道や畑の中を走っています。三菱L200は夜間に幹線道に出たところを有線ドローンに突っ込まれました。2人が炸裂で破片を浴びて負傷し、入院しました。
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