◆戦争に備える日米共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25」
2日前の9月11日から、陸上自衛隊約1万4000人と米海兵隊約5000人が参加する、過去最大級の日米共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25」(「不屈の竜25」)が始まっていた。昨年よりも参加人員が2倍以上に増え、年々規模が拡大している。

訓練は9月25日まで、北海道、東京都、大分県、佐賀県、長崎県、熊本県、鹿児島県、沖縄県にある陸自の駐屯地や演習場、徳之島(鹿児島県)の民間地、米海兵隊岩国基地(山口県)、米空軍嘉手納基地(沖縄県)などでおこなわれた。

目撃したオスプレイの離着陸・ホバリング・給油・兵員輸送の訓練もその一環だ。オスプレイが飛び去ると、今度は米海兵隊のヘリコプター2機が、大気を引き裂く爆音とともに十文字原演習場に着陸した。

待機していた自衛隊員らがホースを手に燃料を給油すると、ヘリは地響きのようなローター音をうならせて飛び立っていった。自衛隊の迷彩色のトラックやジープ型車両なども演習場をひんぱんに出入りした。

防衛省の発表では、自衛隊と米軍の共同作戦の連携強化、共同対処能力(共同戦闘力)の向上が、今回の実動訓練の目的である。
しかし実際は、台湾有事にアメリカが軍事介入して中国と交戦状態に入り、米軍が在日米軍基地から出撃することで日本も戦争に巻き込まれ、自衛隊が参戦して日米共同作戦がおこなわれる場合を想定したものとみられる。まさに戦争に備えた日米の軍事力の誇示にほかならない。(つづく)

吉田敏浩(よしだ・としひろ)1957年、大分県出身。ジャーナリスト。著書に『ルポ・軍事優先社会』(岩波新書)、『「日米合同委員会」の研究』(創元社)『昭和史からの警鐘』(毎日新聞出版)など。
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