今年9月11日から9月25日まで、九州と沖縄を中心におこなわれた日米共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25」(「不屈の竜25」)は、陸上自衛隊(以下、陸自)約1万4000人と米海兵隊約5000人が参加し、過去最大規模のものとなった。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)
◆沖縄や九州が戦場となることを想定
訓練はきわめて実戦的で、沖縄県石垣島の陸自石垣駐屯地に米海兵隊の最新型無人地対艦ミサイル「ネメシス」と統合防空システム(ミサイルと機関砲など搭載)「マディス」を初めて展開させ、陸自のミサイル12[ひとに]式地対艦誘導弾とともに、日米共同の対艦・対空戦闘訓練(非実射)を実施した。

米海兵隊岩国基地では、米軍が最大射程1800キロ超で中国や北朝鮮にも届く巡航ミサイル「トマホーク」などを発射できる、車両搭載式の最新鋭中距離ミサイル・システム「タイフォン」を初めて持ち込み、展開訓練をした。

陸自の勝連分屯地(沖縄県)、瀬戸内分屯地(鹿児島県の奄美大島)、日出生台[ひじゅうだい]演習場(大分県)でも、車両搭載式の12式地対艦誘導弾の展開と非実射の対艦戦闘訓練をおこなった。155ミリ榴弾砲、迫撃砲、多連装ロケットシステム、対戦車ミサイル、機関銃などの実弾射撃訓練も、日出生台演習場、大矢野原演習場(熊本県)、矢臼別演習場(北海道)でなされた。

沖縄本島、石垣島、与那国島、日出生台演習場などでは、戦闘で負傷した隊員などに見立てた患者の治療訓練とヘリコプターや船舶による輸送訓練も実施した。沖縄や九州が戦場となることを想定したものだ。
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