「戦争をする国」に変わってもいいのか?! 大軍拡・戦争準備の現場から(3) アメリカの戦略で戦火に巻き込まれる日本、他国を攻撃できる長射程ミサイル
アメリカは日本を対中国戦の矢面に立たせ、戦火に巻き込むことも計算に入れたうえで、中国の台頭を抑え込む戦略を立てている。日本全土が戦場となって、おびただしい流血と破壊の戦禍を被り、犠牲を強いられ、アメリカの戦略の捨て石にされてしまうおそれが高まる。
(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)
◆日本を対中国戦の最前線に立たせようとするアメリカの戦略
それは、今年3月に初来日した米トランプ政権のヘグセス国防長官の発言が、露骨に示している。ヘグセス長官は、中谷元防衛大臣(当時)との会談後の共同記者会見で、台湾有事を念頭に「西太平洋におけるあらゆる有事に直面した場合、日本は最前線に立つことになる」と断言した(『朝日新聞』2025年3月31日朝刊)。

まさに日本の最前線化すなわち戦場化を前提とした発言である。ところが、中谷大臣も石破茂首相(当時)も、反対も、抗議もしなかった。それは日本が戦場となり、国民・市民が犠牲を強いられることを黙認したも同然で、あまりにも無責任な姿勢である。

その一方で、中谷大臣はヘグセス長官との会談で、朝鮮半島・東シナ海・南シナ海を一体の
「戦争区域」と捉える「ワンシアター」構想を提示した。中国に対抗する狙いがあるとみら
れ、日本も能動的にアメリカの対中国封じ込め戦略を担おうとする姿勢を見せた。しかし、
これは戦争の危機を煽ることにもつながる。

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