自衛隊と米軍の共同訓練・演習が年々、回数と規模を拡大し続けている。今年9月11日~25日、陸上自衛隊約1万4000人と米海兵隊約5000人が参加した、過去最大級の日米共同実動訓練「レゾリュート・ドラゴン25」でも、戦場を想定した激しい訓練が繰り広げられた。きなくさい戦争のにおいが漂ってくる。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)

◆高原の演習場に轟き渡る砲声と着弾音

「レゾリュート・ドラゴン25」で実弾射撃訓練がおこなわれた日出生台演習場は、大分県玖珠町、由布市、九重町、宇佐市にまたがる標高700~800メートルの広大な高原地帯にある。東西約15キロ、南北約5キロ、総面積約4900ヘクタールで、西日本最大の自衛隊演習場だ。

陸上自衛隊日出生台演習場のカモフラージュした車両。赤旗は実弾射撃訓練中の表示(2025年9月13日撮影)

緑の草におおわれた高原の起伏が波打ち、彼方までうねる。ところどころ赤茶けた地肌がむき出しになっているのは、実弾射撃訓練の着弾地である。日米共同実動訓練3日目の9月13日、155ミリ榴弾砲や迫撃砲などの砲撃訓練を演習場外から遠く目撃した。

陸上自衛隊日出生台演習場で自衛隊の実弾砲撃訓練中に見えた白い砲煙(2025年9月13日撮影)

草原の斜面に散在する林の一角から瞬時、白い煙が流れ出て、大気を震わす砲声が響き渡る。カムフラージュの暗色の網をかぶせた砲身や砲座は見えないが、砲煙からその位置がわかる。そして、耳をつんざく着弾音が高原中に轟く。

陸上自衛隊日出生台演習場、実弾砲撃訓練の着弾地。地面がむき出している(2025年9月13日撮影)

その音は隣接する温泉観光地の湯布院にまで届く。演習場内のあちこちの丘に立つ赤い旗は、実弾射撃訓練中を示すものだ。張りつめた気配が漂ってくる。砲声と着弾音の響きはなおも続いた。

陸上自衛隊日出生台演習場の実弾射撃訓練中を示すフェンス沿いの電光掲示板(2025年9月13日撮影)

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