◆米日軍事一体化と戦争準備が着々と進む

演習場の窪みや丘のかげなどに、カムフラージュの網をかぶせたレーダー搭載車両、軽装甲機動車、野営テントなどが点々と見える。トラックや軽装甲機動車など迷彩色の自衛隊車両も、あわただしく演習場を出入りした。

陸上自衛隊日出生台演習場から出てきた自衛隊の軽装甲機動車(2025年9月13日撮影)

9月14日には、ヘルメットをかぶった自衛隊員が草むらに隠れる動作を繰り返すのも目撃した。昨日も今日も、草原に停めた車両のそばで、戦闘服姿の自衛隊員と米海兵隊員が集まって、何か話し合っている場面も遠望できた。演習場内のどこかで、陸上自衛隊と米海兵隊の共同調整所が設けられ、実戦を想定した指揮機関訓練もおこなわれているはずだ。米日軍事一体化と戦争準備が着々と進んでいるのが感じられる。

陸上自衛隊日出生台演習場でカムフラージュした陸上自衛隊の対空レーダー車両(2025年9月13日撮影)

日出生台演習場での日米共同訓練は、1987年11月の第1回以来、今回が第10回目で、過去最多の計約4500人(自衛隊約4000人、米軍約500人)が参加した。昨年7~8月の第9回目の参加人員は計約4000人。それ以前は1000人台の時が多く、共同訓練の規模は年ごとに拡大している。今年1月には、陸上自衛隊とイギリス陸軍による日英共同訓練も初めて実施された。(つづく)

陸上自衛隊日出生台演習場の草原に集まった自衛隊員と米海兵隊員(2025年9月13日撮影)

吉田敏浩(よしだ・としひろ)1957年、大分県出身。ジャーナリスト。著書に『ルポ・軍事優先社会』(岩波新書)、『「日米合同委員会」の研究』(創元社)『昭和史からの警鐘』(毎日新聞出版)など。

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