日出生台演習場では、自衛隊が年間を通じて実弾射撃訓練などをひんぱんにおこない、1999年からは在沖縄の米海兵隊の移転砲撃訓練も定期的に実施されている。さらに日米共同訓練や日英共同訓練が加わり、訓練スケジュールが過密化、規模も拡大し、地元住民の生業にも支障が出ている。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)
◆軍事訓練が過密になり、地域の負担も増している
「これまで日出生台演習場では、5年間のうち4回は在沖縄の米海兵隊の移転砲撃訓練がおこなわれ、それがない年に日米共同訓練が実施されていました。つまり1年に1回以上、外国軍隊が来ることはなかったのです。ところが、昨年8月に日米共同訓練『レゾリュート・ドラゴン24』、今年1月には日英共同訓練、2月から3月にかけては米海兵隊の移転砲撃訓練、そして9月の『レゾリュート・ドラゴン25』と13ヵ月間に4回も外国軍隊が参加する訓練が強行されています」

そう指摘するのは、陸上自衛隊湯布院駐屯地へのミサイル配備に反対する市民団体「湯布院ミサイル問題ネット」事務局の鯨津[ときつ]憲司さん(74)だ。鯨津さんは湯布院在住で、ネット古書店を営んでいる。

日出生台演習場での訓練スケジュールの過密化に対して、周辺住民の間からは不満の声が上がっている。たとえば今回の「レゾリュート・ドラゴン25」に関する防衛省九州防衛局の大分県玖珠町での住民説明会(8月20日)では、住民側から「自衛隊もふくめて演習場の使いすぎだ。訓練が過密になり、生活に支障が出ている」など強い怒りが示され、「一昨年の(日米共同)訓練では(米海兵隊の)オスプレイが集落の上を低空で飛び、ガラスがガタガタと揺れた。住宅の上を飛ぶのは避けてほしい」といった要望が出された(NHK大分「NEWS WEB」 2025年8月21日)。

次のページ:◆戦争に向かう軍事対軍事の負の連鎖に巻き込まれる…↓






















