自衛隊と米軍は台湾有事を想定して共同作戦計画を立て、「レゾリュート・ドラゴン」(「不屈の竜」)や「キーン・ソード」(「鋭い剣」)など禍々しい名の、実戦的な日米共同訓練・演習を重ねている。沖縄・九州はじめ全国の戦場化と、民間人にも戦禍が及ぶ事態を前提にしたものだ。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)

◆アメリカの戦争に巻き込まれる日本、民間人にも戦禍が

米日軍事一体化は、自衛隊が事実上米軍の指揮下に入る「シームレスな(切れ目のない)統合」をめざして、日米「指揮統制」連携の強化へとエスカレートしている。対中国はじめ米軍の世界的な軍事戦略に自衛隊が組み込まれ、いわば駒扱いされてしまう懸念がつのる。

陸上自衛隊十文字原演習場で自衛隊航空機への燃料給油のために待機する米海兵隊給油車(2025年9月13日撮影)

「安保3文書」の「国家安全保障戦略」は「日米間の運用の調整、相互運用性の向上、サイバー・宇宙分野等での協力深化、先端技術を取り込む装備・技術面での協力の推進、高度かつ実践的な共同訓練、共同の情報収集・警戒監視・偵察、施設(基地)の共同使用の増加」など、全面的な連携の強化を掲げる。

陸上自衛隊十文字原演習場で米海兵隊ヘリコプターへの給油作業をする自衛隊員たちの所に近づく米海兵隊パイロット(2025年9月13日撮影)

「国家防衛戦略」は、「わが国の反撃能力については、情報収集も含め、日米共同でその能力をより効果的に発揮する協力態勢を構築する」、「日米両国は戦略を整合させ、共に目標を優先付けること」により「共同の能力を強化する」と、米軍と自衛隊のより緊密な一体性をめざすとしている。

陸上自衛隊十文字原演習場から離陸する米海兵隊ヘリコプター(2025年9月13日撮影)

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