自衛隊と米軍は台湾有事を想定して共同作戦計画を立て、「レゾリュート・ドラゴン」(「不屈の竜」)や「キーン・ソード」(「鋭い剣」)など禍々しい名の、実戦的な日米共同訓練・演習を重ねている。沖縄・九州はじめ全国の戦場化と、民間人にも戦禍が及ぶ事態を前提にしたものだ。(吉田敏浩/写真はすべて筆者撮影)
◆アメリカの戦争に巻き込まれる日本、民間人にも戦禍が
米日軍事一体化は、自衛隊が事実上米軍の指揮下に入る「シームレスな(切れ目のない)統合」をめざして、日米「指揮統制」連携の強化へとエスカレートしている。対中国はじめ米軍の世界的な軍事戦略に自衛隊が組み込まれ、いわば駒扱いされてしまう懸念がつのる。

「安保3文書」の「国家安全保障戦略」は「日米間の運用の調整、相互運用性の向上、サイバー・宇宙分野等での協力深化、先端技術を取り込む装備・技術面での協力の推進、高度かつ実践的な共同訓練、共同の情報収集・警戒監視・偵察、施設(基地)の共同使用の増加」など、全面的な連携の強化を掲げる。

「国家防衛戦略」は、「わが国の反撃能力については、情報収集も含め、日米共同でその能力をより効果的に発揮する協力態勢を構築する」、「日米両国は戦略を整合させ、共に目標を優先付けること」により「共同の能力を強化する」と、米軍と自衛隊のより緊密な一体性をめざすとしている。

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