平安北道(ピョンアンブクト)新義州(シニジュ)市から鴨緑江のやや上流に位置する義州(ウィジュ)郡。2024年7月末の集中豪雨で一帯が浸水し、復興作業が進められていた。現地はどうなっているのか? アジアプレスの取材チームは2025年9月、中国側から現場を撮影した。昨年からの突貫工事は続いており、まるで城壁のような巨大堤防が建設中だった。大盛トウモロコシ飯をかきこむ動員兵士の昼食風景も捉えた。(アジアプレス編集部)

◆韓国「斗山」の重機に北朝鮮スローガン

取材チームが撮影した義州郡の於赤島(オジョックド)は、洪水に見舞われた鴨緑江の中州だ。この於赤島を取り囲むように巨大堤防の建設が進められていた。その規模も高さも、まるで城壁のようであった。

工事には、韓国の総合重工業メーカー「斗山」のショベルカーが使われていた。「DOOSAN」のロゴはそのままだったが、ブーム部分には「白頭の寒風精神」「党中央と共に千万里」というスローガンが記されていた。

動員された兵士たちは、ブロックを背負って運んだり、ならした堤防の斜面にコンクリートブロックを並べて固定したりと、休む間もなく動き続けていた。昼時になると、珍しい兵士の食事風景にも遭遇した。トウモロコシご飯を大盛りでよそうと、地面にしゃがみ込んでおかずや汁と一緒にかきこんでいた。

北朝鮮では2026年初には第9回党大会が予定されている。金正恩政権は、地方発展の象徴として、昨年末の大水害から復興建設を成し遂げたことを、一大成果として宣伝したい。突貫工事に動員された若い兵士たちには大きな重圧になっていることだろう。

詳しい内容は動画で確認できる。

※この音声は動画制作会社VIDWEBのボイスゲートを利用しています。

北朝鮮地図 製作アジアプレス

 

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