◆中国でも監視厳しく逃げられない
――中国派遣の手続きはどのようにしますか?
今月出国したのは、9月から選抜していた人たちで、突然送り出すことになったのです。以前のように、選抜に半年から1年もかかることはなく、中国への出国はそれほど珍しくなくなりました。私の周囲でも何人も行っています。
人民委員会の労働局が選抜して対外経済省が派遣手続きをし、強盛(カンソン)貿易会社が中国の企業と繋ぐと聞いています。
――当局は、出国した人が逃亡する心配をしないのでしょうか?
中国から他国へ行くことが簡単ではないのは、皆がわかっています。中国は監視カメラだらけで、一歩外に出るだけで監視され、すぐに捕まるという話が(国内で)すっかり広がっています。中国から戻ってきた人たちも、(中国では)管理が厳しい規律生活で逃げられないと話しています。
――中国のどこで、どれくらいの期間働くのでしょうか?
瀋陽や長春方面に出て、衣料品工場、包装工場、組立工場などに行くそうです。6カ月から1年間働いて交代します。期間が長くないので、荷物も多くなくて背嚢一つ背負って出国して行きましたね。
◆中国は制裁違反、金正恩政権は搾取ビジネス
長白県の貿易関係者は、中国側の事情について次のように伝えてきた。
「北朝鮮労働者の派遣を仲介する業者は、12月に入ってから100人以上が中国に入って来たと言っていた。長白県でも人手が足りず、北朝鮮の労働者を使いたい企業が多く、恵山から毎日通勤する方法を模索したが、北朝鮮側が食住保障の6カ月以上の滞在を条件にしているためコスト面で折り合えず、長白に入国してすぐバスに乗せて瀋陽などの大都市の企業に送り出している」
中国への労働者派遣が活発になっているのは、中国側が制裁違反を黙認しているからに他ならない。中国は東北地方で労働力が圧倒的に足りず、人件費が安くてよく働く北朝鮮労働者は引っ張りだこになっている。一方の金正恩政権が期待するのは、言うまでもなく外貨稼ぎである。
※アジアプレスでは中国の携帯電話を北朝鮮に搬入して連絡を取り合っている。











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