
◆タクシー、レンタカー運営で金儲け
資金不足や権力層への人脈の限界で、密輸車の国内販売に関与できなかった「トンチュ」は、物流や運送など、車両運営を通じた金儲けに目を向けている。車両を確保して、タクシーをはじめとする旅客及び運輸業を通じて収益を上げているのだ。
恵山では最近「電気タクシー」が人気だという。恵山の取材協力者は今年7月、市内に登場した電気タクシーの人気ぶりを次のように述べた。
「旅客運輸事業所に、5月に電気自動車3台が国家密輸で入ってきた。対外経済省がクムウンサンという会社を通じて中古で持ち込んだ車だが、それを買い取ってタクシーとして運行している。ガソリン車のタクシー料金は2万5000ウォンだが、電気自動車のタクシーは1万5000ウォンと安いため、乗客がこぞって乗ろうとする」
※1万朝鮮ウォンは約45円
低料金なのは、高騰している燃油を使わなくて済むためだ。電気タクシーは中古車のため1日1回の充電が必要で、車輪回りが弱いため市内限定の運営だが、低価格で人気が高いという。個人が家族名義でタクシー2~3台を運営する事例もあると協力者は話した。
車両を貸し出す北朝鮮版レンタカー事業も登場した。
「期間を決めて車両を貸し出し、代金を受け取る事業所もある。同じ道内であれば旅行にも行ける。専属運転手の費用とガソリン代を含め、1週間の使用料は朝鮮ウォンで約800万~1200万ウォン程度だ」
車両を利用したビジネスは地域によって差が見られ、辺境地域の恵山に比べ、車両需要はやはり清津(チョンジン)や咸興(ハムフン)のような大都市が遥かに大きいのは間違いない。実際、平壌和盛(ファソン)区域に位置するアミサン自動車技術奉仕所では、車両販売だけでなくレンタカーサービスも行っていることが、インターネット上で紹介されている。
◆富裕層に怒り、車両「テロ」も発生
国家が車両保有の規制を緩和し、「トンチュ」たちの欲望が表面化した結果、北朝鮮の道路は活気を見せている。今年9月、中国側から眺めた北朝鮮の街には、1年前の取材と比べ明らかに行き交う車両増えていた。
しかし急増した車両は、北朝鮮住民の間に潜んでいた剥奪感を刺激し、新たな葛藤の火種を撒いている。最近現地では、駐車車両への汚物投げつけや損壊事件が頻発している。次回は、車両「テロ」の具体例を報告する。(続く 6 >>)













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