◆基準内含有でも高濃度飛散
独自調査で石綿検出した7製品では、いずれも石綿繊維(正確には繊維「束」)が直接、砂に混ざっていた。当初の記事でも紹介したことだが、前出・分析技術者はこう警告している。
「カラーサンドを(量が多いので代表試料になるように調整する)縮分するのに容器から出したらフワーっと粉じんが立ち上りましたから、空気の測定しないと断定はできませんが、これで子どもが遊んでいたら石綿ばく露する可能性があると思います」
今回の分析では、10~40倍程度の実体顕微鏡でカラーサンドに混ざっている石綿繊維とみられるものを採取して石綿の有無を調べることのできる偏光顕微鏡で同定している。つまり、調べているのは比較的大きな繊維束だ。
分析時これをプレパラートに載せて、浸液を垂らしてカバーガラスをかぶせる。その際に軽く押さえるのだが、それだけで繊維束がほぐれて微細な石綿繊維になる(厳密にはこれも繊維束)。
このように石綿は簡単にほぐれて、飛散しやすくなる。すでに述べたように調べているのは比較的大きな繊維束である。それは見つけやすいからだ。大きな繊維束があれば、小さい飛散しやすい繊維が含まれていてもおかしくない。あるいは、大きな繊維束がほぐれて細い、飛散しやすい石綿繊維になることも当然ながら考えられる。当たり前のことだ。
大学内の石綿調査・管理などに取り組んできた愛知教育大学健康支援センターの榊原洋子特別准教授は、「重量の0.1%という基準は、そもそも行政的に数字決めないといけないから定めたものでしょう。基準値以下でも石綿は飛散します。0.11%だったら飛散するけど0.09%だったら飛散しないということはない」との見解だ。
そしてこんな実例を挙げる。
「ある大学でブロンズ鋳造をする際に調べたところ、材料の銅に10%未満の鉛が含まれていました。国の規則で対象外でしたが、作業現場での鉛ヒューム(微粒子)の発生は管理基準を超えていました」(榊原氏)
鉛中毒予防規則では、鉛合金で対策が必要なのは鉛の含有率10%以上とされ、それ未満であれば、飛散・ばく露防止対策は不要となっている。
当時の報告資料によれば、材料の鉛含有率は4~6%という。ところが、作業時の鉛濃度は、空気1立方メートルあたり0.05ミリグラムの基準に対し、最大0.68ミリグラムと13.6倍に達した。しかもその後、鉛の含有率が低い材料に切り替えたところ、「気中鉛濃度は逆に上昇した」という。
このように基準内の含有だったとしても、飛散はあり得るのである。






















